ミューチップミューチップとは日立製作所が開発している、超小型の無線ICチップ。 縦横400μm、厚さ60μmの直方体形チップで、128ビットの読み出し専用データを製造段階で記録して出荷される。 ミューチップは紙に埋め込まれることを想定して開発されたICで、薄い紙に埋め込むために限界まで小型化されている。 このため、ミューチップは無線通信機能とROM機能しか持たない単純なチップ構成になっている。 つまり、ミューチップの外から見た場合のミューチップの機能は「自分のID番号を知らせる機能」だけになる。 このような性格を持つミューチップを活用するため、ミューチップを使用する企業は、ミューチップ上のIDとその他のデータ(例えば使用者の名前など)をサーバ上で関連づけて保存しておくことになる。 そして、店舗の端末などでミューチップのIDが読み込まれたときに、サーバ経由で本来の使用者を確認し、ミューチップが埋め込まれた商品の持ち主が本来の持ち主か確認する、といった形で使われる。 ミューチップはその設計コンセプト通り、書類の偽造防止用に書類に(物理的に)埋め込まれるという使われ方がまず検討されており、例えば紙幣や株券のシリアル番号管理、パスポートの変造防止などに役立つと期待されている。 このほか、ミューチップが超小型であることを利用して、さまざまな商品の模造品対策などに使用する構想もある。 出典:日立製作所資料 |